日本に住んでいる時はクルーズ旅行に全く興味がなかった私ですが、一度乗ったら虜になってしまいました。
もともとクルーズに対するイメージは、大きな船のデッキで日光浴をしながらぼーっと過ごすだけの、一言でいうと「高いお金払って、退屈しそう」と思っていたのですが、周囲に勧められて乗ってみたら、ものすごく楽しかったです。それ以来、長期休暇はクルーズをリピートしています。
※クルーズの失敗しないキャビンの選び方編はこちら
クルーズの魅力
クルーズ未経験の方にもイメージいただけるよう、2社(MSCとCosta)の乗船経験からですが、魅力を簡単にご説明します。
- 都市間の移動が楽
例えばヨーロッパや中東の色々な国・都市を自力で巡ろうとすると、列車やバスの移動を重ねたり、特に夜間は治安面を気にしたり、毎晩泊まるホテルが違ったり、じわじわ疲れがたまっていきます。でもクルーズだとそれがないです。夜の間に船が移動するので、同じホテルに連泊している感覚で、朝起きたら違う都市に到着しています。
- 食べ放題
朝・昼・晩・間食の食事代は基本料金に含まれています。レストランでコース料理を何皿頼んでも良いし、ブッフェ形式のカフェテリアでは好きなものを好きなだけ選べます。ドリンク代は別ですが、お酒をたくさん飲む人は、飲み放題のドリンクパッケージを購入することもできます。
- 船が豪華
MSCとCostaは複数の船を保有していますが、中には大都会のビルみたいに大きなサイズの船もあります。フロア数でいうと、15階とかです。高さだけでなく長さもありますので、初めて見た時はかなりのインパクトだと思います。もっと小さめの船もあるのですが、個人的には大きい船のほうがバーの数やプールなど設備も充実していて、より楽しめると思います。
- 船内のエンターテイメント
船内にシアターがあり、毎晩ショーが45分程行われます。アクロバティックなパフォーマンスやミュージカルのような時もあり、バラエティに富んでいます。毎晩違う内容で楽しませてくれます。
- 船内のバー(演奏付き)
船内にいくつかバーがあり、シンガーやピアニストが良い感じのムードを作ってくれます。日によってはABBAの曲、ビートルズの曲などテーマが決まっているバーもあります。だいたい夜遅くまで開いているので、ショーを見た後に立ち寄り、1杯飲みながら雰囲気を楽しむのもオススメです。
MSCとCostaについて
クルーズ会社は色々あり、ある程度客層ターゲット/予算に差があります。その中でもMSCとCostaはいずれも大衆向けですので、料金もリーズナブルです。船に乗っているお客さんもカジュアルですし、年齢層も幅広いです。但し、MSCとCostaを比べた時、個人的にはMSCのほうが断然満足度が高かったです。詳細は別の機会に書きますが、MSCは7泊8日を3回乗りましたが、また乗りたいと思います。一方Costaは同期間を1度だけ乗りましたが、もうリピートはしないと思います。
具体的な料金は、部屋のカテゴリーなどにもよりますが、例えば7泊8日、バルコニー付きの部屋の場合は、大人1人あたり(キャビンを2人で利用)の料金は、だいたい900〜1,000ポンドです(現在のレートで13〜15万円)。イギリスのサイトから予約したので、日本から予約する場合とは値段が異なるかもしれませんが、今までCosta アドリア海(イタリア発着)、MSCの中東(ドバイ発着)、北ヨーロッパ(ドイツ発着)に乗って、どれも大差ありませんでした。ちなみにMSCもCostaもリピーター割引(5%くらい)があります。
クルーズ選びに役立つサイト
クルーズ選びのポイントは「航路」と「船自体の魅力」が大事になると思います。行きたい航路が見つかった時に、この船はどんなものだろう?と思ったら、ぜひSeascannerというサイトでチェックしてみてください。クルーズ船の評価・口コミサイトで、クルーズ各社の船のリストはじめ、サイズ(乗船人数)や満足度などが見れます。逆にこのサイトを見て、この船に乗りたい!と思ったら、そのクルーズ会社のサイトから船名でフィルターをかけて航路を検索することもできます。
船に乗る前に知っておくと便利なこと
- クルーズカードでキャッシュレス
乗船当日に、クルーズカードというカードがもらえます。これは1枚で何役も果たします。キャビンの鍵、乗船・下船時のパス、船内の買い物がキャッシュレスでできるなど。例えばドリンクを注文すると別料金なのですが、毎回現金やカードで支払う必要はなく、このクルーズカードを渡すだけです。乗船日か翌日にクレジットカードを登録する必要があり、最終日にまとめて清算(登録したカードにチャージ)されます。
- サービスチャージは別
基本料金に含まれていないサービスチャージという隠れコストがあります。部屋の清掃など乗船中にお世話をしてくれたクルーのサービスへの対価として、最終日の清算時に加算されます。(ドリンクを注文すると、その場でサービスチャージが加算されますが、それとは別です)クルーズ会社や航海エリアやによってバラつきはありますが、2017年夏のMSCヨーロッパクルーズでは、一人1泊10ユーロ(二人で7泊8日なら140ユーロ)でした。2015年冬は8.5ユーロだったので、値上りしてますね。
- クルーズ会社主催のExcursion
寄港地での観光や、空港からクルーズ港までの移動などを有料で手配することができます。割高だけど楽です。観光プランも複数選択肢があり、半日、終日、行き先も様々です。基本的には港から大型バスに乗って名所を回って港に戻ってくる、というパターンです。乗船前でも乗船後(船内)でも申込み可能ですが、中には人数制限があるものもあります。個人で観光したい人向けには、港から市内まで距離がある場合、有料シャトルバスを出してくれますが、二人ならタクシーより若干安いかな?くらいの値段です。中には、バスや電車でのアクセスがいい港もあり、移動コストがセーブできますので、事前に調べておくといいと思います。Excursionのいい点は、急な航路変更にも対応できるところです。以前、霧の影響で予定していた寄港地の順序が急遽変更になったことがありました。その時はMSC主催の観光Excursionを申し込んでいたので、寄航日が代わっても追加料金は発生しませんでした。もし個人でローカル業者を手配していたら、直前の日程変更となり高くついていたかもしれません。あと、ロシアにビザなしで入国するには、クルーズ会社主催のExcursionに参加する必要があります。(現地で自由行動したい方は、事前にロシア観光ビザの取得が必要です)
- パスポート回収
乗船と同時にパスポートを回収されたことがあります。初めは、こんな大事なものを預けてしまって大丈夫なの?と不安になりましたが、船側でしっかり保管され、下船日前日に返却されました。ただし、回収は毎回ではないです。今まで中東クルーズと地中海クルーズで回収されましたが、北欧・ロシアクルーズではされませんでした。
- 最終日の下船と荷物
MSCとCostaでは下船日の前日に、色の付いたタグが配布されます。スーツケースなど大きい荷物のある方は、このタグを荷物に付けて、夜のうちに部屋の外(廊下)に出しておけば、クルーが船の外まで運んでおいてくれます。そうすれば、下船日当日、ゲストはスーツケースを運び出す必要はなく、下船後に港で自分の荷物をピックアップするだけで済みます。下船時刻はこのタグの色で分けられます。例えば、「青いタグの人は9:00~10:00の間」「赤いタグの人は11:00~12:00の間」など、タグの配布時に下船時刻も案内されます。この時間枠内に下船すれば、荷物は港に準備されているという意味です。
最終日は下船した港から、空港へ向かわれる方が多いと思います。各自で移動(タクシーや公共交通機関を利用)する場合は、このタグ付き荷物について注意する必要があります。前述のように、夜のうちにスーツケースを預けてしまうと、決められた時間枠or以降に下船しないと、荷物の回収場所(港)にまだ届いていない可能性があります。早朝フライトなどで、タグで振り分けられた時間枠よりも早く下船したい場合は、前日に荷物を預けない(廊下に出さない)ようにしましょう。私はこの方法をMSCで2回試しましたが、何も問題なかったです。下船日当日にしたことは、自分のスーツケースをキャビンからガラガラと運び、普通に降りただけです。
- Wi-Fi
船上ではクルーズ会社がWi-Fiサービスを提供しています。MSCでは3通りのパッケージがあり、Social Package(SNSだけアクセス可)、Surfer Package(SNSとネットだけ)、Streamer Package(動画も見れる)という利用目的と、期間(24時間または7泊)の組み合わせで料金決まっていました。但し使い放題ではなく、容量の上限があります。私は2017年のMSCで、7泊有効なStreamer Packageを60ユーロで購入しました。割引があったので、元値はEUR70だったと思います。上限は1.5GBで、最大4台の端末で同時に使えました。ただし、キャビンの中でノートパソコンでネットをしようとしたら通信速度が遅すぎて、全然使い物になりませんでした。動画なんてまず無理です。スマホでメールを見る程度なら出来るというレベルでした。2015年にMSCに乗ったときは、Wi-Fiが1時間17ユーロ〜24時間170ユーロという驚きの価格でしたので、その時に比べたらだいぶ安くなっていますが、クオリティを考えるとまだ割高に感じます。急ぎじゃなければ、寄港地でカフェに行きWi-Fi使う方がずっとサクサクです。